カネがないならないなりに

北海道

地域おこし協力隊としてここ北海道に来た私ですが、この協力隊の給与がどれくらいのレベルかご存知でしょうか?正解は、「中国並み。しかも沿岸部じゃなくて内陸部の方」といったとこです。私の働く紋別市は他地域よりは給与水準は高めですが、それでも最盛期の40%まで収入が落ちました。この賃金で単身での北海道渡航を快く応援してくれた妻には頭が上がりませんし、一応世帯主として、本州に残してきた家族への仕送りはきちんと続けたい・・・という訳で、この「21世紀の蟹工船」とも呼ぶべき可処分所得から約6割を家族に送っています。
そこから家賃を払いーの、携帯だのガソリン代だの電気代だの払いーの、で支出を重ねていくと、残った金は約3~4万円。これで毎月の食費と遊興費を賄う訳です。まあ無理と思いつつも、誰から強要された訳でもなく、自分の意志で今の道を選んだ訳ですから、文句を言う暇があればやりくりせい、という話なんですね。で、これが意外とやりくりできてしまうのですよ。
野菜なんかは直売市を探せば結構安く買えるし、大量にジャガイモと米を入手すれば、後は何とかなります。
私が一番困ったのは、「コーヒーをどう確保するか」ということでした。コーヒーマニアな私は、こちらに来る前は近所の焙煎屋から、100gで大体500~800円のモカ・マタリを定期的に購入していました。香りが一番好きな豆だったからです。無論、今の賃金で同じことはできません。
そこでどうしたか。まずは生豆を大量に買い込みました。ブラジルのサントスという安い豆を、とある輸入業者から10kg約5千円で分けてもらいました。JETROのHPから、個人輸入してみるのも面白いかも。今はクレジット決済が可能ですから、CIFだのFOBだの、個人で豆を輸入するぐらいならそんな知識も不要です。
豆は自家焙煎します。まず、自宅の庭で焚き火。
北海道

生豆をゴマ炒り器に入れて火で炙ります。そこかしこに落ちている白樺の皮は、燃やすと独特の香りがしますが、この煙が豆の香りに貢献してくれることを、経験を通して知りました。北海道

素人なので焼きムラはありますが、これはまあご愛嬌で。
北海道

自家焙煎した豆で飲むコーヒー。率直に言えば、プロの焙煎士の手による豆の方が美味いです。ただ、上の写真のように炙りたての豆をガラス瓶に詰め、冷凍庫に入れ3日後の朝、蓋を開けた瞬間に鼻腔を襲う芳醇な香りは、買ってきたどんな高価な豆からも感じとることはできません。モカ・マタリを軽く凌駕してくれます。本当に生クリームのような匂いがするんですよ!
安いサントスでも、こうして白樺の木で炙れば、充分に満足できるコーヒーライフを楽しめます。ついでに言うなら我が家は井戸水なので、今のとこ豆代以外のコストはゼロです。

つまみとして、クルミの実なんてどうでしょう?紋別から遠軽方面へは、一般にはオホーツク街道と呼ばれる海の道を経由しますが、道道305号という山道もあり、これを私は勝手に「クルミ街道」と呼んでいます。それぐらい沿道には野生のクルミの木が生い茂っており、9~10月にかけてここをドライブすれば、一生分のクルミの実が取れます。
拾ってきた実を庭に埋め、一週間後ぐらいに取り出せば、腐った果肉はぼろぼろ落ち、種だけが残ります。
北海道

クルミの実は一方の先端が尖っているので、軍手をするか、先端部だけ爪切りで切り落とすかすれば、快適に水洗いできます。これを天日で乾かすもよしですが、私は薪ストーブで一気に強制乾燥させています。
北海道

薪ストーブも、東京で近郊で使うとなれば「贅沢品」ですよね。まず煙が近隣の家屋に届かないだけの敷地が必要だし、薪だって東京では「買うもの」でしょう。値段だって安くはない。エアコンや灯油ストーブの方が圧倒的にコスパは高い。
でもここ北海道の郊外では、薪は手間さえ惜しまなければ、あるいは少しの人脈があれば、簡単に手に入ります。私は庭に落ちていた枯れ木を切り、夏の間薪で割っていました。寒い朝は5時ぐらいに目が覚めてしまうので、庭に出て薪割りを続けていました。2時間ぐらい行えば、出勤前のいい運動にもなりますしね。ちゃんとした斧を買うのをオススメします。私は近所のツテでドイツ製の中古品を5千円で買いました。ホムセンで買った一番安い斧は一日で折れましたが、ドイツ製の斧はすこんすこん割れます。縦にぱかーんと割れた瞬間の気持ちよさは、クセになりますね。
10月に入って、薪ストーブは毎日大活躍です。敢えてこういう書き方をすれば、ここでは薪ストーブは「貧者の暖房」です。エアコンよりFFストーブより温まります。というか半袖にならないと暑くてたまらないほどです。
私の借りている家は断熱が入っているようで、夜2~3時間、火を焚けば、朝まで毛布なしで眠れます。
という訳で、カネがないなら、ないなりに楽しめる場所です、ここは。

井上

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA